管理会社関連

管理会社の対応に問題がある場合は、管理会社と率直に話し合うなど慎重に対応する必要があります。やむを得ず管理会社を変更する場合は、計画的に行い、引き継ぎ不備が発生しないようにすることが大変重要です。

管理会社変更はゴールでなくスタートです。

新管理会社の仕事ぶりはしっかりとチェックすることが大事です。


営業担当(フロント)交代

営業担当(フロント)の対応に不満を持った理事長は、理事会で検討して、管理会社にフロントの交代を申し入れた。交代直後は新フロントの評価は良かったが、やがて新理事長は同様の不満を持つようになった。

支援の背景

  • 人当たりは悪くないが、何事も対応が遅いフロントがいた
  • 新理事長は、このフロントに対して、次第に不満が蓄積していた
  • 漏水事故対応の遅さ・まずさに対して、不満が爆発した

支援の内容

  1. 相談を受けたマンション管理士は、この漏水事故対応を含めて、フロントの対応履歴を文書化した
  2. 理事会にて、上記文書をもとに、他の理事会役員の意見もヒアリングして、フロント本人と上司に改善を求めた
  3. しばらく様子を見たが、改善が認められなかったので、フロント交代を申し入れ、フロントは交代した

支援のポイント

  • 理事長1人の評価でなく、出来る限り公平に評価できるように配慮した
  • いきなりの交代でなく、本人・上司に相談し、善処を求めて段階を踏んだ
  • 但し、理事長の性急な性格もあり、後任のフロントにも不満を持つようになった
  • フロント側の問題だけとは、限らないことも留意すること

管理会社の変更

管理会社の売上利益確保に偏重した対応があまりにひどく、理事会方針として管理会社変更を決定し、マンション管理士に相談し、慎重に手続を踏み新管理会社を選定し、臨時総会で承認を得て管理会社を変更した。

支援の背景

  • 3年前に当時の管理会社より管理委託費の値上げを要求されたので現管理会社(以下Aとする)に変更していた
  • Aが選定された理由は、管理仕様は同じで管理委託費も安くなる提案内容であった
  • 新営業担当への評価も当時高かった
  • 毎年Aより、1000万から2000万規模の工事提案がなされ、発注していた
  • 一方で理事会支援、総会支援、トラブル対応などはおなざりであった

支援の内容

  1. 相談を受けたマンション管理士は、Aの工事提案内容や支援ぶりを精査し、組合側の主張に妥当性があることを確認した
  2. 但し、管理組合が管理会社に丸投げであれば、どの管理会社に変更しても同じことの繰り返しであるとして、マンション管理士を採用することを提案した
  3. マンション管理士顧問契約を締結して、組合運営を支援した
  4. 新規工事提案に対しては、管理組合独自に見積を取得して別会社に発注した
  5. 管理委託範囲を見直し、管理委託費値下げの交渉を行った
  6. Aより管理受託辞退の申し入れがあった
  7. これを受けて、別管理会社の選定を行い、理事会支援・総会支援などを委託業務範囲外としてこの管理会社と管理委託契約を締結することとした
  8. 同時に、マンション管理士を管理者として採用することにした
  9. 臨時総会に管理会社変更とマンション管理士採用を提案し承認を得た

 

支援のポイント

  • 管理組合(理事会)が管理会社に丸投げであれば、どの管理会社に変更しても同じことであるとマンション管理士を採用することを提案した
  • 顧問として、管理組合を支援し、現行の管理会社と各種交渉を行った
  • 結果として、現行管理会社自ら辞退した
  • 新管理会社とは、マンション管理士が組合支援を行うことを前提に契約した

 


管理員の変更

長年勤務していた管理員が退職し、新任管理員が配属されたが、不慣れな状態が続き、問題を起こして、安定しない状態が続いた。業務マニュアルの整備や現場教育期間延長などの申し入れを行いようやく安定した。

支援の背景

  • 10年以上勤務していた管理員が高齢化に伴い退職した
  • 新任管理員が配属されたが、不慣れな状態が続いて安定しなかった
  • 住民からも、前の管理員は対応してくれたことを今の管理員は対応してくれない等の不満が高まった

支援の内容

  1. 管理会社に管理員業務マニュアルの整備を申し入れた
  2. 現場教育機関の延長を申し入れた
  3. 住民向けに管理員の業務委託メニュー表を作成して、理解を求めた

支援のポイント

  • 管理員交代に備えて、マニュアルの充実を求めたこと
  • 住民側にも、なんでもかんでも管理員に要望するのでなく、委託業務範囲があることの理解を求めたこと