現在、公的年金は2階建て構造と言われていて、1階部分が「国民年金(基礎年金)」に相当します。そして、2階部分として会社員は「厚生年金」、公務員は「共済年金」を上乗せで加入していました。ちなみに会社員は「企業年金」、公務員は「職域加算部分」を受け取るとき、これらを3階部分と呼ぶこともあります。
これらは上乗せ部分としては同様の制度ですが、「厚生年金」と「共済年金」ではいくつかの違いを含んでいました。そして今回、共済年金が厚生年金に一元化されるようになって、2階部分が共通で「厚生年金」となりました。
◎規模拡大による安定化
深刻化する少子高齢化問題に備えるべく、年金財政の規模を大きくすることで、制度の安定化を図ろうという考えです。共済年金には、国家公務員共済組合・地方公務員等共済組合・私立学校教職員共済の3つに分かれていて、これらを一本化することで規模を拡大し、安定した運営が可能になるということです。
◎公務員と会社員の年金制度を公平化
公務員と会社員の年金負担、そして給付を同じ年金制度にすることで、公的年金に対する国民の信頼感を高めることを目的にしています。
◎厚生年金に公務員及び私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金 に統一する(個人による厚生年金への加入手続は不要です)。
◎共済年金と厚生年金の給付内容は、基本的に厚生年金にそろえる。
◎共済年金の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率【上限18.3%】に統一する。
◎共済年金にある公的年金としての3階部分【職域部分】を廃止し、新たな公務員制 度としての年金の給付の制度を設ける。