共用部分の揚水管・給水立管・給水横主管及び専用部分内の給水横枝管・給湯横枝管なども年数が30年、40年と経過すれば、腐食と腐食に伴う漏水事故多発のため交換の必要性も出てきます。
給水管は1975年頃までは、亜鉛メッキ鋼管が使用されていました。この管材はさびやすい欠点があり、赤水問題が多発しました。
その後硬質塩化ビニルラインイング鋼管が開発され使用されました。現在も多く使用されています。
2000年頃からは、ステンレス管を給水管に採用するマンションも増えています。
一方専有部で使用される給水管は1990年頃から樹脂管である架橋ポリエチレン管やポリブデン管の採用が多くなってきています。
住居専有部の配管方式のことで、配管改修時に有効な方式です。
さや管ヘッダー工法とは、樹脂製のさや管の中に本来の給水管を通す、二重構造の配管工法のことです。
中の給水管も樹脂製なので錆びることがなく、軟らかくて曲げやすく、鋼管のように継ぎ手がいらないので、水漏れの危険性が少なくなります。
また、中の給水管が劣化した場合、抜き出して簡単に交換できるので、壁や天井などを壊す必要がありません。
ヘッダー工法とは、ヘッダーと呼ばれる給水・給湯を一元的に分配するユニットから、各水栓まで供給されることです。ヘッダーから各給水栓まで途中に分岐がないので、複数の水栓を同時に使用した場合でも、水量変化が少なく、安定した給水、給湯量が得られます。
さや管ヘッダー工法は、さや管内部の空気層による断熱により、裸配管に比べて結露が起きにくく、給湯配管では保温効果が期待できます。また、内装工事後に内管を通すため、配管への釘打ちなど、他業種とのトラブルも低減できるなどのメリットがあります。