エレベーターは、最近のマンションでは、100%近く設置されていると思います。
築年の古いマンションでは、未設置のケースもありますが、高齢化バリアフリー化に備えて設置が検討されるケースも多いと思います。
エレベーターの耐久年数は25年から30年とされています。
使用する頻度によってエレベータリニューアル時期が異なります。
あくまで目安ですがたとえば8階~10階規模のマンションであれば、完全リニューアルにかかる費用は1000万円を超えるケースがあります。
逆に制御装置等の必要最小限のエレベーターリニューアルにとどめた場合、600万円前後が相場でしょう。
●建築基準法では、「高さ31メートル超の建物には非常用の昇降機を設けなければならないとされています。」
31メートルは、7~10階建てのビル・マンションに相当します。
※非常用の昇降機(非常用エレベーター)とは、火災発生時に消防隊が消火・救出活動に使用するものであり、構造についても細かな基準が定められています。平常時は、乗用エレベーターまたは人荷用エレベーターと使用されます。
※ただし31mを超える部分が次の場合は設置不要です。
●「高齢者の居住の安定確保に関する法律」では、原則として、3階建て以上の共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅)に、エレベーターを設置することが定められています。
●法律の他に、地方公共団体が条例で「○階以上の建築物には、エレベーターを設置すること」と定めている場合があります。
例えば、大阪府の場合、建築物の規模と用途によっては、2階以上の建築物にエレベーターを設置しなければならない可能性があります。
●ロープ式
現在ではほとんどが電動モーターによって駆動されています。
また駆動方式は「ロープ式」が主流で、釣合おもりを使用した「トラクション式」と、巻胴(ドラム)にロープを巻き付ける「巻胴式」に分けることができます。
トラクション式の機械室ありタイプ(下記図の左)は、「かご」と「釣合おもり」の重量をバランスさせ、上部に取り付けた巻上機で効率よく駆動する、エレベーターのもっとも基本的なタイプです。
システム構成も簡単で、低層ビルから超高層ビルまであらゆるシーンで活躍しています。
トラクション式の機械室なしタイプは、機械室が不要になり、建築上部の突出物がないので北側斜線制限・日影規制の影響がなく、また、建築上部に荷重がかからず昇降路を自由に設計できるタイプです。
巻胴式の巻上機の設置場所は、巻上機を上部に設けるタイプ(下記図の中)と下部に設けるタイプ(下記図の右)があります。
また調速機が作動して、エレベーター制御が行われた場合の復帰操作は必ず手動で行われます。
●油圧式
低層用エレベーターには電動ポンプで油圧を制御し、その圧力でかごを昇降させるものがあります。
この油圧式エレベーターの駆動方式は、「直接式」「間接式」「パンタグラフ式」に分類することができます。
直接式(下記図の左)は、油圧シリンダー内のプランジャー(上下する部分)にエレベーターのかごを直結し昇降を行います。
間接式(下記図の中)は、プランジャーの動きをロープや鎖を介して間接的にエレベーターのかごに伝え、昇降を行います。また調速機が作動して、エレベーター制御が行われた場合の復帰操作は必ず手動で行われます。
パンタグラフ式(下記図の右)は、アームと油圧ジャッキにより、アーム頂部に取付けたかごの昇降を行います。
お子様や車いす使用者なども容易に操作できるように、最近のエレベーターの押しボタンは、比較的低めに設置されるようになりました。
また車いす使用者専用の押しボタンを設置しているエレベーターもあります。
このボタンを操作した場合は、扉の開時間が延長されたり、戸閉ボタンを押すまで開放を維持するなどの工夫がされています。
お年寄りや体の不自由な方が身体を支え易いように手すりを取り付けたり、
車椅子使用者が後ろ向きに降りる時でも背後を確認できるように鏡を
設置するなど、安心して利用できるよう工夫されています。