アフターサービスとは、売買契約等において、売買物件の欠陥箇所の補修を無償で行うもので、売主が営業政策上又は消費者サービスの観点から行うものです。
瑕疵担保責任のように法律が定めるものではなく、売主の契約上の責任によるものです。
アフタサービスは昭和40年代後半より、消費者の意識の高まり、あるいは不動産業界自らの社会的役割の認識などを背景に、昭和48年、業界団体により「アフタサービス基準」が制定されました。
その後、数次にわたる改正がなされました。
現行の「アフタサービス基準」は、品確法による瑕疵担保責任の特例に基づき改正されたもので、平成12年4月1日以降の工事発注分から適用されるものです。
瑕疵担保責任 | アフターサービス | |
根拠 | 民法566条・570条による法定責任 | 売買契約に基づく契約上の責任 |
対象範囲 | 隠れた瑕疵に限る | 隠れた瑕疵に限らない |
責任内容 |
賠償責任 契約目的を達成できない場合は契約解除も |
瑕疵又は欠陥の補修 |
帰責理由 | 売主が無過失でも適用される |
売買契約で定めた内容による (天災地変等の不可抗力、使用ミス、修補責任を 売主に帰しえない場合を除く) |
原因発生時期 | 契約当時に存在していた隠れた瑕疵 | 売買契約で定めた期間内に発生した欠陥又は瑕疵 |
期間と起算日 |
1.民法では、買主が瑕疵を知った時から1年。 2.宅建業法40条、目的物の引渡日から 2年以上の期間とすることができる。 3.新築住宅については、品確法により、 構造耐力上重要な部分及び雨水の侵入を防止する部分については、引渡日から10年間が義務 |
部位や欠陥の種類により期間と起算日が異なる。 期間:1年間から10年間 起算日 1.屋上、外壁等の雨漏り、内外壁・基礎等構造耐力上主要な部分の亀裂・破損については、引渡日から 2.共用部分については、最初に使用を開始した日から 3.その他の部分については、目的物件の引渡日から |
基準は、様式A(工事種目別)と様式B(部位・設備別)の2種類があります。
様式Bの一部を抜粋すると次のような内容です。
●建築/共用部分1(構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分) | |||
部位/設備 | 現象例 | 期間 | 備考 |
基礎・柱・梁・耐力壁・内部床・屋上・屋根 |
コンクリート躯体の亀裂・破損 | 10年 |
構造耐力上影響のあるもの (鉄筋のさび汁を伴った亀裂・破損及び これに準じるものとし、毛細亀裂及び軽微な破損は除く)に限る |
外階段の床・はね出し式の バルコニー・外廊下の床 |
同上 | 10年 | 同上 |
屋上・屋根・ルーフバルコニー | 雨漏り | 10年 | 屋内への雨水の侵入 |
●建築/共用部分2 | |||
部位/設備 | 現象例 | 期間 | 備考 |
基礎・柱・梁・耐力壁・内部床・屋上・屋根・ルーフバルコニー |
モルタル面、タイル張、石張、レンガ張、屋根瓦等の亀裂・浮き・はがれ | 2年 |
毛細亀裂及び軽微な浮き、剥がれを除く |
同上 |
塗装の剥がれ | 2年 | 引渡後の退色、傷を除く |
屋上・屋根・ルーフバルコニー | 排水不良、ふくれ | 2年 | 軽微なふくれは除く |
●建築/専用部分 | |||
部位/設備 | 現象例 | 期間 | 備考 |
非耐力壁 | 亀裂・破損 | 2年 |
毛細亀裂及び軽微な浮き、剥がれを除く |
防水床(浴室) | 漏水 | 10年 | |
建物金物・カーテンレール | 変形・破損・作動不良・取付不良 | 2年 |
●設備・機器 | |||
部位/設備 | 現象例 | 期間 | 備考 |
給水管・排水管 | 漏水・破損 | 5年 |
|
エレベーター |
機能不良 |
10年 | |
機械式駐車場 | 機能不良 | 2年 |