管理組合役員の選任と活動のはじめはどのようになりますか?
また、新旧引継ぎはどうすればいいですか?
管理組合の役員は、毎年の通常総会で選任され、実際に活動を始めるのは、新旧役員の引継ぎ後になります。
なかには、役員に選任される以前に役員候補として通常総会前の理事会に出席し、翌年度の事業計画(案)作成に参画するようにしている管理組合もあります。これは前任者が計画した路線を新役員がただ実行するだけというのでは、新役員の“やりがい”をそぐことになるので、新役員が参画した計画によって新役員に管理組合事務を執行してもらおうという考えです。
多くの管理組合は毎年役員が全員交替しますが、これだと継続的な管理運営が円滑に行えない恐れがあるため、
1.役員の半数交替制をとっているところ、
2.前期の副理事長が次の理事長になるというルール
を定めている管理組合もあります。
管理組合では、次期役員を選出する際、役員のなり手がなく困っているという例が多くあります。
管理組合の円滑な運営を進めるためには、組合員全員が一度は役員を経験し、管理組合に対する各組合員の意識を醸成することが望まれます。
しかし、組合員の多くは、働き盛りの年代の方が多く日中は忙しい仕事を担当しているため、自宅に帰ってまた管理組合の業務を行うことにわずらわしさを感じているのも事実でしょう。
役員の負担を軽減するために考慮すべき事項としては、まずは、管理組合の業務について、マンション管理士等専門家を活用し、必要な指導、助言、援助等を受けることも考えるべきでしょう。
役員資格者は組合員と限定されているのが通常(標準管理規約35条2項)ですが、組合員配偶者又は一親等の親族まで範囲を拡げるよう管理規約を改定すれば、役員の対象者を増加することもできます。
役員の選出方法については、次のような方法がとられています。
1.立候補制・・・役員を公募して、立候補者の中から選任する方法です。
2.推せん・・・現役員が中心となって役員候補者を選出する方法です。
3.輪番制・・・各フロアーをグループ別にして、その中から輪番で役員を選出する方法です。
3.の中には室番号順に選出する仕方と、過去役員を経験した人を除いて抽選で選出する仕方の二つがあります。
新旧役員の引継ぎは、新役員決定後速やかに行うこととし、新旧役員全員が一堂に会し引継ぎを行い、必要に応じて役職ごとに個別の引継ぎ行うことになります。
引継ぎに際しては、引継ぎ目録を作成して行うのがよいでしょう。
なお、引継ぎは、目録に基づきそれぞれの担当理事から現物を引継ぐようにしたいものです。
理事会で、ある書類が必要になって取り出そうとしたところ、引継ぎ目録には掲載されていたが、現物がなかったということでは、理事に再度手をわずらわせることになりますし、保管されているはずの有価証券がないなどということになりますと大問題になります。
そのようなことが起きないよう引継ぎには、時間をかけ入念に行うことです。
理事会には懸案事項として、前理事会で処理し切れなかった問題があります。
それはどのような問題なのか、内容や取扱いにどのような難しさがあるのか等、担当理事から関係書類によって引継ぎを受けることが望まれます。