マンション管理に関わる法律

マンション管理法というような名称の法律はありません。

 

マンション管理を行っていく上で、関連する法律等として下記のものがあります。

 

代表的なものは、「区分所有法」 「マンション管理適正化法」 です。

 

また、法律ではありませんが、「マンション標準管理規約」「マンション標準管理委託契約書」が実務的には、重要です。


●区分所有法・・・マンション管理組合運営における憲法のような基本となる法律です。総会の運営方法や、規約改正やマンションの建て替えの決議要件などが定められています。

 

●マンション標準管理規約・・・各管理組合が定める規約のひな型です。国土交通省が定めています。

(法律ではなくあくまでサンプルですが多くの管理組合ではこれを見習い管理規約が作成されています)

 

●マンション管理適正化法・・・マンション管理会社の事業活動を規制する法律です。マンション管理会社は国土交通省の届け出する必要があります。契約締結前の重要事項説明などが義務付けられています。

 

●マンション標準管理委託契約書・・・管理組合から管理会社が管理業務を受託する場合の契約書のひな型です。(法律ではなくサンプルです)

 

●マンション建替え円滑化法・・・マンションの建て替え決議後の建て替え事業を円滑に進めるための法律です。例えば、銀行ローンの抵当権を建て替え後のマンションに一括移行する方法などが定められています。

 

●被災区分所有法・・・地震などでマンションが全壊した場合の建替えを進めるための法律です。全壊すると区分所有関係も消滅し、区分所有法が適用できなくなります。これを補うための法律です。

 

●耐震改修促進法・・・旧耐震基準(昭和56年5月以前)で建てられた建物の耐震改修を促進するための法律です。分譲マンションは基本対象外ですが、耐震診断や耐震工事に対して補助金などの支援が受けられます。

 

以上が、マンションに関して直接関わる法律及び国土交通省が定める標準管理規約、標準管理委託契約書です。

 

その他、マンション管理運営を行って行く上で、関わってくる法律として次のようなものがあります。

 

●民法(総則・物件・債権・親族・相続)・・・所有権や共有権について定められています。「区分所有法」は、民法の共有権では、不明確な部分が多く、マンションでの共同生活を円滑にするための特別法です。

 

●不動産登記法・・・土地または建物に関する公の記録(登記記録)に関する法律です。マンションもその敷地・建物について手続き及び書式に従い登記します。

 

●建築基準法・・・建築物に対する安全衛生上の最低基準が定められています。マンションの所有者(区分所有者)には、維持保全義務があります。建ぺい率・容積率なども定められています。

 

●都市計画法・・・都市計画に関し必要な事項が定められています。低層住居専用地域、中高層専用地域などの用途地域が都市計画法により定められます。

 

●宅建業法・・・宅地建物取引業者を事業活動を規制する法律です。取引に際して「重要事項の説明」「契約書面の交付」義務などが定められています。新築・中古マンションの取引も対象となります。

 

●住宅品質確保促進法・・・欠陥住宅に関するトラブル防止の為に作られた法律です。新築住宅に瑕疵(欠陥)があった場合、10年間損害賠償などの責任を負うことが義務付けられています。

 

●水道法・・・受水槽などの給水施設の管理基準・定期検査について定められています。

 

浄化槽法・・・下水道施設未整備地域においては、浄化槽を設置しなければなりません。浄化槽の管理基準・定期検査について定められています。

 

電気事業法・・・電気供給事業者に電気工作物の調査義務などが定められています。

 

ガス事業法・・・ガス供給事業者にガス工作物の維持義務なだおが定められています。

 

消防法・・・防火対象物(マンション含む)に設置が義務付けられている消防用設備等の点検が義務付けられています。

 

郵便法・・・マンションなどの一定の建築物は、出入口または付近に郵便受け箱を設置が義務付けられています。

 

自動車保管場所法・・・自動車の保有者などに自動車の保管場所を確保し、道路を保管場所として使用ないことを義務付けられています。