建物の屋根は、風雨や紫外線にさらされる最も環境条件の厳しい部位ですが、真っ先に修繕すべき箇所」ということには必ずしもなりません。

最も環境条件の厳しい部位で、そのため劣化の進行も早いと考えられがちですが、耐久性が求められる箇所ゆえに耐用年数の長い材料や工法を採用している建物が多いところでもあります。

多くのマンションの屋上に採用されている「露出アスファルト防水」は、15年程度の耐用年数が期待できます。

ルーフテラスなどコンクリートで保護されたアスファルト防水は、20年程度場合によっては、30年以上改修が不要な事例もあります。

瓦材などが葺かれた勾配屋根の場合も同様で、屋根材の葺き替えを1回目の大規模修繕工事の際に実施するケースはほとんどありません。

瓦材や防水層を長持ちさせる目的で、保護塗装を実施するケースはありますが、特に平らな屋上部分は工事のための仮設足場が不要なため、大規模修繕工事と切り離して工事を実施することも可能です。

いずれにしても、建物の最も重要な部分のですので、防水仕様や劣化の程度を把握し、適切な修繕周期を判断することが大事です。