仮設工事

仮設工事とは、修繕工事期間中に使用する一時的な施設や設備を設置および撤去する工事のことです。「共通仮設」と「直接仮設」の2種類に分類されます。

 

■共通仮設工事

 

工事関係者の現場事務所や仮設トイレ、工事に用いる材料の倉庫や工事で発生する産業廃棄物の一時保管場所などです。また、現場事務所で利用される水道光熱費、廃棄物の処理費、安全対策のための保安要員費(警備員)や工事関係車両の臨時駐車費用を共通仮設工事費に含める場合もあります。さらに、居住者が日常生活を営んでいる中で行われる工事ゆえに、工事関係者と居住者との間の連絡に用いる掲示板や広報活動費(各種案内文の印刷配布など)も共通仮設工事費に含まれます。

 

■直接仮設工事

 

工事のために直接必要な設備や工事で建物等を汚損しないようにする処置(養生といいます)が含まれます。

中でも大きな比重を占めるのが、建物の外壁周囲に設ける「仮設足場」です。

超高層マンションの改修工事の場合には、吊りゴンドラなどの可動式作業台を設ける場合もありますが、工事の能率や品質管理などを考慮すると、外壁工事の開始から終了まで、作業台を常設するタイプの仮設足場を用いることが一般的です。

 

 

 

仮設足場を設置されると、これを利用して不審者が浸入する恐れが高くなるため、防犯カメラやセンサーの設置などを検討する必要があります。また仮設の足場材の周囲には、作業員の安全確保と物の飛散防止のため「メッシュシート」を張る規則となっています。

最近のマンションの修繕工事では、視認性を考慮した黒色のメッシュシートを用いるケースが多くなっています。居住者の圧迫感を軽減できる他、足場内への侵入者の確認がし易くなるなど、防犯上のメリットもあります。

 

共通仮設工事・直接仮設工事は、いずれも修繕工事が終わる頃には無くなります。安全性と防犯性、工事の品質確保、居住者の快適性を考慮しつつ、仮設工事費用を如何に抑えるかが重要です。例えば、管理組合としてマンション敷地内に工事車両の駐車スペースを確保することが可能であれば、その分仮設費用の低減につながります。