外壁塗装の劣化診断(現地診断)

外壁塗装の劣化診断の多くは、目視によるものですが、一部機器や判定基準表などを用いる場合もあります。

外壁塗装(塗膜)の段階的劣化診断

■変色・退色

紫外線・雨水・熱などにより生じた塗膜の色調変化を評価する。(汚れや白亜化とは区別する)

一次診断 二次診断 三次診断
 ○目視診断
一様な変退色局部的な変退色
 ○目視診断
色見本、カラーチャートによる評価
○測色色差計による診断

■光沢度低下

健全部と比較する

一次診断 二次診断 三次診断
 ○目視診断  ○目視診断 ○光沢計による診断

■白亜化

光沢度低下が進行すると、「白亜化」が起こる。

手で塗膜面をこすると白い粉が付着する。その付き方(面積)で評価する。

一次診断 二次診断 三次診断
 ○指触診断
塗膜面を指で強くこすり粉状物の付着状況で評価する
○払式診断
塗膜面を黒色または白色の布で強くこすり粉状者の付着状況で評価
○白亜化度による
JIS K5600 8.6塗料一般試験法「白亜化の等級」などにより評価

■汚れ

 

一次診断 二次診断 三次診断
 ○目視診断

○目視診断

○目視診断
色見本、カラーチャートによる評価

■ふくれ/割れ/剥がれ

一次診断 二次診断
 ○目視診断 ○付着力試験
・建研式接着力試験器
・アドヒージョンテスター
・クロスカット試験法

■さび

一次診断 二次診断 三次診断
 ○目視診断
さびの発生(赤さび・白さび)断面欠損
○さびの深さ
・ポイントマイクロメーター
・ノギス など
○付着汚染物質及びさびの化学分析
JIS K0101による

修繕設計と施工のポイント

外壁塗装は、施工後の経年による美装・保護・機能などの低下は避けられず、適切な時期に修繕することが必要です。

 

劣化程度に応じた修繕方法を適切に選定します。

 

■既存塗装の役割確認

■既存塗装の種類判定

■下地調整

 

塗装の修繕設計における下地調整方法の判定は、非常に重要なポイントです。

既存塗装の劣化程度に応じて、また、修繕に用いる塗装材料との最適化を図るため、処理方法を適切に選定しなければなりません。

 

●洗浄方法

既存仕上げ表層面に付着している「汚れ」を除去して既存塗膜を「活膜面」とする処理方法です。

汚れの状態に応じて、洗浄方法を選択する必要があります。

 

●塗膜除去工法

塗膜除去は既存塗膜の劣化状況に応じて、機械的除去、科学的除去の方法を適切に選択する。

 

●固定

既存塗膜の脆弱部分を除去し、活膜として残存させた部分に対しては、露出した素地を含めて、新規の塗膜との付着性を確保できるように、既存塗膜の表層部分を改質する目的で、シーラーを塗布します。

但し、シーラーの種類は、既存塗膜と新規に用いる塗装材料の適合性を考慮して選定しなければなりません。

 

■塗替え塗装材料の選定

塗装材料の種類に応じて、期待される性能(※)は様々ですので、最適な材料を選択します。

また既存塗装に対しての適合性も考慮して選択する必要があります。

 

※期待される性能:光沢・色・耐用年数・耐透水性・中性化抑制・耐汚れ性など