タイル・モルタルの劣化

タイルは、仕上材料の中で最も耐候性に優れ、汚れにくい材料として、マンション外壁に多く使用されている。

 

マンションにおけるタイルの下地としては、モルタルとコンクリートがあります。

 

コンクリート下地に直接タイルを張る工法を「直張り」と呼ぼれており、近年マンションでは「直張り」が多くなっています。


タイルの種類

分類 素材 呼称 寸法

外装タイル

 

磁器

せっ器

小口平

二丁掛

三丁掛

四丁掛

ボーダー

108×60

227×60

227×90

227×120

227×40等

モザイクタイル 磁器

50角

50二丁

45×45

95×45

外壁によく使用される二丁掛、小口平タイルは、レンガのサイズを元に生まれたもので、二丁掛は、小口平タイル(60mm×108mm)2枚分の大きさに目地幅を加えた寸法とひとしくなます。

 

マンションなどでよく使用されているのが50二丁(45二丁とも呼ばれる)タイルと呼ばれるもので、50角タイル2枚分の45mm×95mm(目地を含めた寸法で50mm×100mmを指す)サイズです。

タイル仕上げの劣化

■ひび割れ

外壁タイル面に生じるひび割れは、コンクリート躯体やモルタル下地にひび割れが発生し、それに伴ってタイル面にもひび割れが発生する場合がほとんどです。

 

従って、ひび割れ原因はコンクリート、モルタルのひび割れ原因と同じです。

ひび割れが発生すると、その周囲から白華が発生し、美観を著しく損なうことがあります。

 

■浮き

タイル張り壁面には、温度変化、乾燥・収縮といった環境の変化、建物の構造的な要因による動き、地震等により応力が発生する。

この応力が壁面を構成する材料間の接着強さを上回る状況になると、浮きに至ります。

■欠損

 

浮きが進行して、タイルが剥落してしまいます。

モルタル仕上げの劣化

モルタルの接着力は、コンクリート表面のごく薄い層の状態により影響を受けます。

 

新築時においては、躯体であるコンクリートを下地としてセメント・モルタルを塗る場合、下地が乾燥しているとときは、下地コンクリートに水分が取られて早期にモルタル中の水分が失われ硬化不良や接着不良を引き起こします。

 

また、経年による浮きの発生原因としては、コンクリート下地のひび割れによるもの、ひび割れなどから侵入する雨水による乾燥収縮の繰り返しで生じる反りによるもの、振動によるものなどがあります。

■浮き

モルタル塗層間の接着界面、又は、モルタル塗層とコンクリート躯体との接着界面の分離現象

■はらみ

モルタル塗層の浮きが進行し、面外方向に凸状に変形が増大して肉眼でも確認できるようになった状態

■ひび割れ

モルタル塗面の割れ、躯体コンクリートのひび割れを含む

■剥落

モルタル塗層の脱落、躯体コンクリートからの脱落

■エフロレッセンス

下地の可溶成分が表面に析出し、空気中の二酸化炭素との反応によって難溶性の白色物質が表面に沈着する現象

■さび汚れ

腐食した鋼材のさびが流出して表面に付着している状態