コンクリートの構造性能を確保するためには、良好な施工を行う必要がありますが、施工不良が生じる場合があります。
施工不良により生じる不具合には、ジャンカやコールドジョイントなどがあります。
これらは、そのほとんどが補修、仕上げが施されているので、目視での判断はつきにくい。
測定に関しては、超音波等を用いた測定器が使われる。
コンクリート打設時の締固め不足または材料分離によりモルタル分が粗骨材間のすき間に十分に行きわたらず,粗骨材が露出した状態になることを言います。豆板が生じやすいのは,鉄筋が密集した箇所や,PCシースが並列に設置された箇所の下部や高い橋脚,壁高欄,カルバートボックスなどコンクリートが打込みにくい場所です。豆板の生じたコンクリートは,強度がほとんど期待できないだけでなく,密実性が小さく水や空気が浸入するため,中性化や塩害に対する抵抗性が低下し,鉄筋の腐食が早期に発生します。
コンクリートを2層以上に分けて打込む場合に,適切な打重ね時間(許容打重ね時間)を過ぎてコンクリートを打設し,上層と下層が一体とならずに不連続な面が生じることを言います。コールドジョイントは構造的な弱点となる他,ひび割れを生じやすいので,中性化や塩害の進行が構造物内部にまで早期に達する原因となります。なお,コールドジョイントは設計や施工計画により設けられる打継ぎ目とは異なるものです。
表面気泡は、せき板に接するコンクリート表面に、コンクリート打込み時に巻き込んだ空気あるいはエントラップドエアがなくならずに残って露出し、硬化したものです。通称「あばた」ともいわれています。
コンクリートには硬化した後も内部に多くの水が存在しています。コンクリートが 乾燥してこの水が蒸発すると、その水の蒸発量に応じた体積の減少が生じます。その際 コンクリートには収縮力が働きますが、元来コンクリートはこの収縮力に応じる引っ張 り強さが「圧縮強さの1/10~1/12」とかなり小さいため、ひび割れが生じやすい のです。なお乾燥収縮ひび割れは、練り水の多い柔らかい生コンを採用するほど、また 打設作業が不足するほど、硬化体としての密度が小さくなるため、生じやすくなります。
フレッシュコンクリート中のセメントの微粒子や骨材の微粒分が、ブリーディング水とともにコンクリートの上面に上昇して堆積した、多孔質で脆弱な薄層。コンクリートを打ち継いだ場合に、付着性を阻害し、ひび割れの原因となることが多いので、コンクリートを打ち継ぐ場合などにはこれを取り除かなければならない。
コンクリート中のセメントペースト分が分離し,構造物表面に細骨材が縞状に露出している部分を砂すじという。型枠の継ぎ目からセメントペーストが漏れ出した場合に生じるほか,型枠に沿ってコンクリートのブリーディング水が上に流れ出す場合に生じます。コンクリート表面の浮き水を十分に除去せずに打ち重ねた場合や,軟練りコンクリートにおいて過度に締め固めた場合に発生します。