ひび割れの発生原因はコンクリートの材料、調合、施工、使用環境、外力、またはそれらの組み合わせで発生する。
また、発生時期もコンクリート打設後の初期(※)に発生するもの、中期(※)に発生するもの、長期(※)に発生するものなど原因や時期は様々です。
※初期(コンクリート打設後、硬化中まで)、中期(翌日から4週目まで)、長期(4週以後)
コンクリートは圧縮には強いですが、引張には弱いので、引張力を受けるとひび割れが生じやすい。
引張力は、外力による場合、コンクリート内部の膨張力による場合、コンクリート自身の乾燥収縮と鉄筋とによる場合などがあります。
一次診断におけるひび割れ調査は、主として直接目視(1m以内に接近し肉眼で調査する)によるが、調査箇所に接近が不可能な場合は、望遠鏡等による間接目視で行う。
必要に応じて「ルーペ」「クラックスケール」「物差し」を使った寸法計測も行う。
■調査箇所
一次診断の調査範囲は、足場を使用しない範囲で可能な限り広範に行い、原則として仕上材を撤去しない範囲で行う。
発生時期や進行速度を判断するため、関係者から事情聴取を行う。
調査図面と対応した記録写真を撮影する
■調査方法
ひび割れの発生している位置、部位、ひび割れの形態及び方向、長さ、幅を平面図、立面図や展開図などに記録する
■ひび割れの評価
建物全体の劣化状況を把握する場合などで、一次診断のみで評価を行う場合には、各部位・位置ごとの劣化症状の発生数量を尺度として劣化度を判定する。
一次診断では仕上材の上からの目視調査になるため、劣化症状の質は考慮せず、劣化症状の量を尺度として評価する。