そもそも「マンションの寿命」は何年くらいあるのでしょうか?
30年? 50年? 100年? 200年?実際のところ一概に言えないそうです。
長崎県の軍艦等にある日本で最古のRC(鉄筋コンクリート構造)集合住宅は1916年竣工です。確かに人が住まなくなり、海風にさらされ、「爆裂」とひび割れの廃墟となっていますが、崩壊はしていません。
パリのフランクリン街のアパートメントは築120年近いですが、今でも人気の物件だそうです。
マンションの劣化には、「物理的劣化」と「非物理的劣化(社会的劣化)」があります。
鉄筋コンクリートは、鉄筋を錆びさせなければ、長持ちします。
マンションの寿命には、物理的劣化対策も大切ですが非物理的劣化(社会的劣化)対策も大きく影響します。
※爆裂・・・鉄筋が錆で膨張して、周囲のコンクリートを破壊する現象のこと
※物理的劣化・・・コンクリートの爆裂や配管の発錆など目に見える劣化
※非物理的劣化(社会的劣化)・・・使いにくい、非経済的、古臭いなどのいわゆる陳腐化
マンションの構造としては、RC構造(鉄筋コンクリート構造)または、SRC構造(鉄骨鉄筋コンクリート構造)が主流です。
コンクリートとは、セメント、水、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)及び必要に応じて混和材料を構成材料としてこれらを練り混ぜたものの事です
本来コンクリート中の鉄筋は、コンクリートのpH(水素イオン濃度)が12程度の強アルカリ性環境下では、鉄筋表面が不働態皮膜という化学的に不活性な部分に覆われているため、発錆しません。
コンクリート構造物の塩害とは、コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンの存在により促進され、鋼材の錆の体積膨張によりコンクリートにひび割れやはく離を引き起こしたり、鋼材の腐食による断面欠損等に伴う構造物の性能低下により、所定の機能を果たせなくなる現象を言います。
昭和50年代に近畿、中国および北陸の各地域で、主として安山岩砕石を利用したコンクリート構造物で「亀甲状のひび割れ」が発生する現象が発見されました。
ひび割れの発生原因はコンクリートの材料、調合、施工、使用環境、外力、またはそれらの組み合わせで発生する。
鉄筋のかぶり厚さの確保は、コンクリート構造物の耐久性、耐火性確保のために非常に重要な項目である。
コンクリートの強度は、建物の耐久性に大きく影響します。
コンクリートの凍害とは、コンクリートの細孔中に含まれる水分が凍結し、水から氷へ変化するときの膨張圧、水分の移動圧などによってコンクリートが破壊される現象をいいます。
施工不良により生じる不具合には、ジャンカやコールドジョイントなどがあります。
大規模修繕工事において必須となるコンクリートの劣化現象に対しての補修工法として、3種類に分けてみていきます。
タイルは、仕上材料の中で最も耐候性に優れ、汚れにくい材料として、マンション外壁に多く使用されている。
マンションにおけるタイルの下地としては、モルタルとコンクリートがあります。
タイル仕上げの劣化は、建築物の機能を低下させたり、美観を損ねるだけでなく、はく落により通行人などへの第三者傷害を発生させる恐れがあります。
補修工法は【ひび割れ幅】と【ひび割れ挙動(環境変化により幅が変動すること)】の有無によって工法が選択されます。
タイル/モルタルの補修方法は、せり上げあり、衝撃や樹脂注入時の圧力により脱落する危険性のある場合は、撤去して、塗り替え、張り替えを行いますが、それ以外は、注入工法で補修するのが一般的です。
欠損部ポリマーセメントモルタル充てん工法や欠損部エポキシ樹脂モルタル充てん工法など
マンションの外壁は、最近は高級感と耐久性に優れたタイル仕上げに押され気味ですが、塗装仕上げがまったく使われないマンションはありません。
バルコニーの内側や共用廊下の壁など、外側から見えない部分は塗装仕上(吹き付けタイル)げとなっていることがよくあります。
外壁塗装の劣化診断の多くは、目視によるものですが、一部機器や判定基準表などを用いる場合もあります。
マンションの鉄骨、鋼製建具、その他各部位に用いられる鉄鋼面や亜鉛メッキ鋼面を代表する各種の金属類に対する塗装は、防錆を第一として、かつ美装することが目的とされています。
ンションなどの建築物に用いられる金属は鉄鋼及び亜鉛メッキ鋼に代表され、それらには防錆を主として、美装を兼ねて塗装がされている。劣化の状況に応じて補修・修繕の要否の判定を行う。
鉄筋コンクリート(RC)造りの場合、設計図書の有無などによりますが、基本的には延べ床面積に対して1000円/㎡~2000円/㎡位の価格になります。
耐震補強には大きく分けて、耐震補強、制震補強、免震補強の3つの方法があります。
マンションにおいて、長期修繕計画の作成や大規模修善の検討のために行う調査・診断業務は大変重要です。
ほとんどのマンションで推奨される最初の大規模修繕工事の実施時期は、築12年目から15年目と言われています。
仮設工事とは、修繕工事期間中に使用する一時的な施設や設備を設置および撤去する工事のことです。「共通仮設」と「直接仮設」の2種類に分類されます。
建物の屋根は、風雨や紫外線にさらされる最も環境条件の厳しい部位ですが、真っ先に修繕すべき箇所」ということには必ずしもなりません。
最も環境条件の厳しい部位で、そのため劣化の進行も早いと考えられがちですが、耐久性が求められる箇所ゆえに耐用年数の長い材料や工法を採用している建物が多いところでもあります。
マンションにおける床防水とは、主にバルコニーや共用開放廊下、外部階段など、雨のかかる部位が対象となります。
外壁改修工事は躯体とよばれるコンクリートなどでできた建物の構造体の補修工事と、その上に施された仕上げ材、すなわち塗装やタイルの修繕工事が含まれます。
また、シーリング材と呼ばれる防水材も外壁周りに多くあることから外壁補修工事含まれる場合もあります。