築13年を迎えるあるマンションでの事です。
大規模修繕工事の修繕委員会のメンバー募集の案内が集合郵便受けに投函されていました。
Aさんは、興味があり応募しました。
それから半年近く、管理会社からも理事会からもなんの連絡もありませんでした。
Aさんは、総会が近づいてきたので、管理会社の担当者に連絡をとってみたところ、管理会社の担当者は申し訳なさそうに、「ご連絡が遅れて大変申し訳ありませんでした。実は、修繕委員会メンバーへの応募は、全区分所有者150人中でAさんお一人だけでして、修繕委員会を立ち上げるかどうかまよっていまして・・・すいませんでした」
Aさんは、管理会社担当者の対応にも呆れましたが、150人もいて自分1人だけという無関心さにも大変お驚いたとの事です。
大規模修繕工事の費用は、概ね次の通りです。
・1回目大規模修繕工事(12年目から15年目)⇒100万円/戸
・2回目大規模修繕工事(24年目から30年目)⇒150万円/戸
・3回目大規模修繕工事(24年目から30年目)⇒250万円/戸
1棟100戸あるマンションで考えれば、1億円から2億5千万もの大金が必要となる工事です。
毎月の修繕積立金がこれら工事費の原資となりますが、多くの場合、修繕積立金会計が不足します。
不足した分は、一時金として追加徴収するか、銀行等から借りるか、あるいは、事前に毎月の修繕積立金額を値上げするかのいずれかの対応策を取らなければなりません。
ですから、無駄に使う訳には行けないのです。本当に必要な部分に適切な時期・方法で工事を行う必要があります。
大規模修繕工事は、住民が日々の生活を行っているなか、行われます。
工事期間中の自動車の移動、バルコニー設置物の移動、バルコニーへの洗濯物干しの制限、在宅が必要な工事などもあります。
ですから、これらに対しての協力がなくては工事ができません。
このように、無関心ではいられない大規模修繕工事をきっかけにして、管理会社に任せ放しでなく、管理組合活動に積極的に関わっていく起爆剤とすることが最も大切です。