それでは、修繕積立金はどのようなケースに使われるのでしょうか?
修繕積立金はその名の通り、大規模修繕工事や建替え工事のための費用です。
しっかりとした長期修繕計画を立て、将来不足することのないように修繕積立金を積み立てなければなりません。
(修繕積立金)
第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二 不測の事故その他の特別の事由により必要となる修繕
三 敷地及び共用部分等の変更
四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
上記一が、いわゆる長期修繕計画に従い計画的に行う大規模修繕工事などに支出することを言っています。
上記三の「敷地及び共用部分等の変更」とは、例えば、敷地内に立体駐車場を新設することや、階段室を変更してエレベーターを新設することなどを言います。
また上記四の「建物の建替えに係る合意形成・・・調査」とは、建替えの必要性を把握するための建物の劣化状況調査などです。
2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下 本項において「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合(以下「建替組合」という。)の設立の認可 又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
建替え決議後に、設計費用に充当したりすることが出来ます。
3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。
長期修繕計画にもとづく大規模修繕工事などの費用を銀行などから借り入れする場合があります。
この返済資金として利用することができます。
4 修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。
修繕積立金は管理費と別会計処理(別勘定管理/別口座管理)しなければならないことを言っています。
管理費が不足したから、修繕積立金から流用するなどの行為は、一時的であったとしてもしてはいけません。