予算準拠主義とは具体的にはどんな事

管理組合会計の目的は、マンションの管理・保全を最小限の費用で最大限の効果を得るための会計指標を明確に表示することです。

 

マンションの資産価値を落とさずに、管理費・修繕積立金の負担を軽くし、無駄な支払を抑えることです。

 

このために予算が必要となります。

予算は管理組合の運営計画に基いて作成されます。

 

理事長といえども、予算外のことを勝手に行うことはできません。あくまでも予算枠内で行っていきます。

また、予算と実績を比較検討し予算の適否も判断します。これを「予算準拠主義」と言います。

予算作成の流れ

(1)運営計画概要および予算方針の作成

  • 長期修繕計画を参考に、今年度の運営計画の概要を作成する
  • 収入および支出を前年並みとするのか、減らすのか、増やすのかなどの方針を作成する(実績なども参考にしながら)

(2)運営計画詳細および収支予算案の作成

  • 会計区分毎に運営計画詳細および収支予算を作成する(管理費会計と修繕積立金会計)

(3)理事会、総会において運営計画および収支予算案の承認

  • 会計年度終了後2~3ヶ月後に開催される理事会、総会で承認を得る

収支予算案の作成

収入については、毎月の管理費、修繕積立金、使用料収入等を12倍した金額となります。

これに設備使用料(電話基地局など)、受取利息などが加算されます。

 

支出については、前年度の実績をもとに予測します。

但し前年度の特別な要因や今年度の特別な要因なども考慮して予算を決定します。

 

予算は、運営計画をもとに作成されなければなりません。

運営計画は毎年、適切に見直され、この結果が、予算に反映されなければなりません。

単に昨年と同様に作成しましたでは困ります。

 

予備費

予備費を計上しておくと、予想外の事項が発生した場合にも、臨時総会などの予算変更の承認を得ることなく、予備費の範囲内で理事会の承認でスムーズな対応ができます。

 

但し、前期実績を参考にしながら、予算合計の2%~3%程度とするなど必要最低限とすること。