施工不良

マンションに限らず建築物は一般に、工場で生産される自動車や家電製品と比べると不具合が起こりやすいと言えます。

 

それは、様々な種類の素材や部材を使い、多くの職人が、一回一回異なる現場環境で作り上げるものだからです。

 

施工不良としては、漏水や勾配不良による給排水の流れ不良、結露、電気、ガス工事の欠陥、壁面の亀裂、外壁剥落、設備騒音などの問題が良く発生します。


アフター点検は2年目までが勝負です。

新築マンションでは、売主であるデベロッパーが「アフターサービス」を付けています。これは、引き渡しから一定期間内は建物や設備に不具合があった場合、デベロッパーが無償で補修するというものです。

 

しかし、区分所有者や管理組合がきちんと指摘することが前提であり、デベロッパーが自ら進んで点検してくれるとは限りません。

 

通常、1年目とかた2年目になると、デベロッパーから依頼を受けた管理会社がアンケートを配ります。

その内容は「何か不具合はありませんか」とだけしか書いていません。

 

多くの区分所有者は、自分の住戸(専有部分)で目に付くところは、それなりに記入しますが、表面から見えない部分、特に共用部分については、ほとんどチェックしません(できません)。

 

管理組合の総会・理事会でも、よほどのことがない限り話題になりません。

 

不具合などが明らかになるとマンションの資産価値が下がるといった意見もありますが、全く逆です。

アフターサービスの期間を過ぎると補修が有償になりますし、将来の大規模修繕工事の時期が早まったり、費用が大幅にアップしたりするかもしれません。

 

アフターサービスの期間中に不具合などをチェックし、建物や設備をきちんとした状態にしておくことが、マンションの資産価値を維持することにつながるのです。

 

そして、アフターサービスの期間は、多くの部位(箇所)が2年以内となっています。

 

法定責任

アフターサービスは、あくまでも、デベロッパーによる任意の契約上の責任です。

ですから、なくても、法律上、問題ありません。

 

民法による「瑕疵担保責任」は法定責任です。

「瑕疵(隠れた不具合)」があれば、売主に損害賠償などを求めることができます。

但し、一般的にこれも、引渡後2年間として契約書で瑕疵担保期間を限定しています。

 

もうひとつ、平成12年に施工された「住宅品質確保促進法(品確法)」では、引渡から10年間、売主のデベロッパーに対して無料で補修が請求できます。

但し、対象となるのは、新築住宅の基本構造部分(基礎、柱など構造耐力上主要な部分および屋根、外壁など雨水の侵入を防止する部分)の瑕疵に限定されます。