ゴミ問題

○○○号の奥さんは、

 

「何とかならないかしら?前の日からゴミを出す人がいて、カラスや猫がゴミを荒らすし、夏はにおいがするし、ハエも来る・・・。そして、燃えるゴミと燃えないゴミを一緒にする人がいて、ゴミを持っていってもらえず、残っているし・・・。粗大ゴミは出さないでくださいと言っているのに! 。」

一方、△△△号の奥さんは、

 

「え?もう行っちゃったの。ゴミ収集車! 。またこのゴミが3 日間もわが家にいるの?どうして、ゴミを前の日に出したらいけないのかしら?わが家は仕事上、深夜に帰宅し朝が遅いので、朝8 時までのゴミ出しは、大変なのに・・・。ゴミが一杯でわが家はゴミ屋敷?」

 

また、一人暮らしの高齢者宅に来る訪問ヘルパーさんが、ゴミ収集日・時間に合わず、やむなく、時間外に捨てる場合などもあります。

マンションのゴミ問題

マンションのゴミ問題は2つあります。

 

ゴミ問題の1つ目は、ゴミ置き場にルールを守らないで、ゴミを出す人がいます。決められた時間や場所に出さない、分別をしない、粗大ゴミを置くなどです。たったひとりの行動が皆のマンションライフを不愉快にしています。

 

2つめの問題は、各家庭のゴミを回収日までどのように保管するかがあります。各家庭では大きな問題です。ベランダが回収日時までの一次的置き場になることもあります。でも夏は生ゴミ対策に悩まされます。

 

1つ目のゴミ問題の対策は?

第に1、ゴミの出し方のルールを確認し、広報・啓発をしましょう。

 

この地域ではゴミをどのように分別するのか、ゴミを出す時間・方法を居住者に周知徹底しましょう。管理規約や使用細則記されておらず、ゴミ出しルールは意外に周知徹底されていません。

 

分別方法はなるべく具体的に記述し、定期的に各戸に配布しましょう。

 

また、掲示板やゴミ庫、エレベーター内などにも掲示しましょう。

その際に、リフォーム工事や引つ越しのゴミ出しルールも確認しておきましょう。

 

第2に、ゴミ置き場は常にきれいにしておきましょう。

衛生面からも大切ですが、ゴミがゴミを誘うことを予防するためです。

 

第3に、マンション居住者以外はゴミを捨てられないようにしましょう。

ゴミをきちんと出さないからといって、すぐに「出ていけ」とはなかなか言えません。マンションのゴミ置き場はゴミ回収のしやすさから、公道からアクセスしやすいことがあります。マンション居住者でない人が、ゴミを捨てているかもしれません。 

鍵をつけることで不法投棄の予防や、防犯対策を行うのもひとつの方法です。

 

第4に、ゴミ置き場のスペースを整理し、ゴミ出しルールを改善しましょう。

囲われたゴミ置き場がある場合に、可燃ゴミ不燃物ゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミ置き場を整理し、棚や新たなゴミ箱を設置して、家庭内のゴミをいつでも出せる態勢にすることも検討しましょう。

 

第5に、現在のゴミ置き場では、施錠できないし、資源ゴミを置くスペースもない。

でも、居住者の生活スタイルが多様化し、ゴミをいつでも出したい人が増えてきました。そんな場合に、ゴミ置き場を改修することがあります。

 

ゴミをいつでも出せるようにするのはカラスや猫、におい・衛生上の問題に対応可能な施設・設備・構造、管理体制を整備する必要があります。つまり、費用が掛かります。マンションの居住者の皆様がどのような意向を持っているか把握することが必要です。

 

ゴミ置き場の改修工事は、管理組合の総会での決議が必要です。工事の大きさ等により、総会で過半数以上の賛成が必要か、あるいは4 分の3 以上の賛成が必要かで変わってきます。

 

第6に、悪質なルール違反者への対応です。

マンションの「共同の利益」に反するわけですから、管理組合として必要な措置をとることができます。

法的措置をとる前に、違反者は誰か、違反の程度を把握し、情報を集める必要があります。法的措置をとるための写真やビデオ撮影は管理組合内で十分に合意を取ってからにしましょう。

 

2つ目のゴミ問題の対策は?

マンションに住んで、「がまん」「取り締まり」ばかりではつまりません。集まって住むことを生かしましょう。

 

①ゴミに悩まされない暮らし方

マンションのゴミ出しルール徹底広報の際に、夏場の生ゴミ対策など、同じマンションならではの妙案があれば、紹介するのもよいでしょう。ゴミを出さない、ゴミに悩まされないエコライフのススメです。

 

②組合が音頭を取りゴミ少量作戦

管理組合等が音頭を取って、マンションの集会室を使い、バザーを開催する。エコ活動の実践として、マンションの共用庭にコンポスター※3を置き、エコクラブで運営する等などもあるでしょう。

 

③組合保有物のレンタル

各家庭には1 年に1~2 回しか使わないものが一杯ありますバーベキューセット等、管理組合が夏祭りで使ったものを居住者に貸し出す等すれば、ゴミ予備軍がなくなるはずです。

 

私たちの生活は物があふれでいます。これを機に生活スタイルを見直すことも大切ですね。共同利用や、使えるものはリサイクルへ、買い物にはエコバックなどの袋を用意して、梱包ゴミを減らすなど、ゴミに悩まされないマンションライフを実現していきましょう。

 

この問題も特効薬はありません。根気よく注意喚起していくことが、大事です。

少しづつですが必ず効果が出てきます。