界壁の遮音、二重床、二重天井などの防音対策工事を見ていきましょう。
界壁の遮音性能は、主に壁の密度と厚さににより決まり、壁自体の透過損失量(壁によってどれだけ音が小さくなるか)によって遮音等級を表します。
尚、遮音等級は「D値」で表され、値が高いほど、遮音性能が優れています。
遮音性能は、透過損失(TL)にて表され音源からの音を界壁を隔てて聞いたときどのくらい音が小さくなったかを透過損失(TL:単位dBデシベル)にて表します。
図の場合、界壁の遮音性能がTLD-60の性能を有している時、音源側 100dB の音圧レベルに対して受信側が40dB となり、入射音に対して 60dB 低減できる性能があることとなります。
また、アルミサッシの2重化も遮音対策として優れています。
但し、ペアガラスは遮音対策には適していません、ペアガラスは結露防止や断熱効果に適しています。
二重床工法とは、マンションなどの遮音性を高めるために、床スラブの上に直接カーペットやフローリングを張るのではなく、間に緩衝材を入れて床板を二重にしたものです。
床スラブの上に直接フローリングを張る直床工法の場合、足音が階下に響いてしまいます。
そのため、2階以上はフローリングではなく、カーペット張りにするのが一般的でした。
しかし現在では、多くのマンションで二重床工法が採用されています。
二重床工法には、角材を均等に並べて床材を乗せる「根太床工法」、防振ゴム付きの支持ボルトで支える「置き床工法」、断熱材を敷いた上にモルタルなどを打って、床材を乗せる「浮床工法」などがあります。
「浮床工法」が最も遮音性が高いといわれていますが、建築コストも高くなります。
二重天井(にじゅうてんじょう)とは、建物の天井コンクリートスラブに天井材を直接張るのではなく、空間を空けて天井材を張ること。
直接天井のコンクリートスラブに天井材を張る方法は直天井と呼ぶ。
二重天井はコンクリートスラブとの間に空間(空気の層)ができることで断熱性・遮音性などに優れる。
また、直天井よりもマンションの強度が上がる(スラブ内に配線のための隙間がなくなるため)。
さらに、天井部に空間があることで、天井における様々な配線(照明配線など)も比較的自由にリフォームすることができるというメリットがある。