マンションにおける騒音問題の大部分を占めているのが、上下階の騒音問題であり、その原因となっているのが床の構造問題です。
フローリングでない床を木質フローリングに張り替える場合があります。
しかし、元々マンションが構造的に木質フローリングに対応していない場合が多いため、騒音問題の発生原因になりやすく、新たに騒音問題を引き起こしている場合が見受けられます。
床衝撃音レベル
建物の室内で物を落としたり、人が動くことで床が直接振動することによって下階に伝わる音のことを「床衝撃音」と言います。
床衝撃音は建物の構造や床仕上材の種類などによって伝わり方が異なります。
音の特性の違いから「重量床衝撃音」と「軽量床衝撃音」に分けることができます。
◆重量床衝撃音(LH)
子どもが飛び跳ねたり、椅子を動かしたときなどに、「ドスン」「ガタン」と大きく下の階に伝わる鈍くて低い音を言います。
床の材質が固くて重いほど遮音性能は高くなり、マンションでは床のコンクリートスラブの厚みに比例します。
(梁で囲まれたスラブ面積の広さも関係します)
◆軽量床衝撃音(LL)
スプーンなどを床に落として「コツン」といったり、スリッパで歩いて「パタパタ」するように、比較的軽めで高音域の音を言います。
軽量床衝撃音(LL)の遮音性能は床の構造や表面仕上げによって変わります。
構造は直床よりも二重床、仕上げ材はフローリングや石貼りよりもカーペットや畳のように吸音性が高いものほど性能は高くなります。
遮音等級は「L値」で表し、数値が小さいほど性能は高く、衝撃音が伝わりにくい事を示しています。
フローリング張替工事
工事を行う前には、管理組合に事前に申し出て、管理規約や細則に記述されて「遮音等級」のフローリング材を利用することが必要です。
(一般的にはL-45以上)
合板のフローリングを使用する場合には、各メーカーの販売している遮音フローリングの中から、そのマンションの防音規定を満たす商品を 選んでいきます。色も種類も、たくさんの商品があります。
遮音フローリング は、通常の フローリングに、スポンジのような 遮音材がくっついていているもので、厚みは12~13mm程度です。
下地を、ベニヤなどで調整して、遮音フローリング をはっていけば、 防音規定をクリアできます。
出来上がりの見た目は、一般的な合板のフローリングと変わりありませんが、 歩くと少しフワフワした感触です。
遮音 フローリングは、一般のフローリング と比べて、付加価値の付いた 商品ですので、価格は高くなります。