築35年のあるマンションでの理事会でのこと。
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理事長:「うちも来年には、3回目の大規模修繕工事の予定だけど、そろそろ建て替えなども考えないといけないのかな?」
副理事長:「そうですね、マンションの寿命は築50年位だと聞きますからね」
会計担当理事:「建て替えるとなると、莫大なお金が必要になるんじゃないですか?数十億円とか?」
理事:「そんなお金どうして集めるんですか?」
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マンション建て替えには、莫大な資金が必要となります。当然、修繕積立金の積立額では、全く足りません。
そこで、今あるマンションに余剰容積率がある場合、容積率をUPして、新規住戸分を売却して、建て替え資金に充当するという方法がとられます。
簡単にいえば、5階建て40戸のマンションを建て替えて、10階建て80戸のマンションに建て替えて、新規40戸分を売却して、売却益を建て替え資金に充当することで、自己負担額を少なくするという方法です。
但し、余剰容積率がある場合に選択できる方法で、余剰容積率がない場合は、この方法は選択できませんし、場合によっては、今あるマンションが容積率を既にオーバーしていて、建て替えると40戸を30戸に減築しないといけないとなる場合もありえます。
<好立地?>
例え、余剰容積率があったとしても、建替えたマンションの新規住戸が売れる可能性の高い、立地の良さがあるのかどうか?
毎年、10万戸前後の新規分譲マンションが供給されている中、競争力をもったマンションと成り得るのか?
<建替え実績>
国土交通省調査(平成31年4月1日現在)のマンション建替え集計で、現在までの建て替え実績は全国で250棟ほどです。
<結論>
「余剰容積率」があり、よほどの、「好立地」でない限り、建替えは困難であると言わざるを得ません。