不動産価格指数とは
不動産価格指数は、IMF等による国際指針に基づき、不動産市場価格の動向を表すものとして、国土交通省が作成したものです。
全国・地域別、住宅・商業用別の市場分析を通じて、投資環境の整備などが進むことを目的としています。
2021年5月数値を公表
全国平均では、
住宅総合 :119.5
土地は :101.0
戸建受託 :105.3
マンション:165.0
でした。
都市圏別は下記の通りで、傾向はほぼ同じです。
都市圏別 | 住宅地 | 戸建住宅 | マンション |
南関東圏(埼玉・千葉・東京・神奈川) | 101.2 | 102.8 | 157.6 |
名古屋圏(岐阜・愛知・三重) | 98.8 | 107.4 | 159.3 |
京阪神圏(京都・大阪・兵庫) | 99.4 | 111.0 | 168.4 |
不動産経済研究所発表データ
不動産経済研究所の調査によれば、2020年、首都圏の新築マンションの平均価格は6083万円で、東京23区に限れば7712万円(全国平均4271万円)。
いま、新築マンションの価格が上がっています。昨年、平均価格が6000万円を超えました。これは不動産バブル期の1990年につけたピーク値である6123万円にほぼ並ぶ水準です。
東京23区に限れば7712万円にもなります。2010年からの平均値も出ていて、そのときは4367万円ということなので、1700万とか、1600万とか上がっています。
それも平均の部屋面積は60平米くらいと、部屋もちょっと狭くなってきています。
マンションだけ何故こうも上昇しているのでしょうか?
人件費・建築材料費の値上がり
2021年開催予定の東京オリンピックで使用される各施設の建設やインフラ整備などで、建築業界は数年前から人材不足が続いていました。
あわせて建築材料が高騰してるため、建築費にかかる費用が従来よりも高騰していたと言われています。
駅近や都心部の土地が売りに出れば、ホテルや商業施設開発業者とも競合し、入札により価格はすぐさま上昇していきます。
そのため、マンションに合う利便性の高い土地はなかなか手に入らず、手に入ったとしても高額になるため、新築マンションは値上がり続けています。
金融政策の緩和と住宅ローン減税の拡充
2013年1月に日本銀行が金融緩和政策を発表し、住宅ローンの金利は低下。
住宅ローンの審査基準も以前と比べて緩くなり、この結果、これまで厳しいローンの審査がおりずに購入を諦めていた人もマンションを購入することができるようになったり、マンションの売主も買主が増えてきたので価格を下げる必要がなくなりました。
住宅ローンは変動金利が0.4%くらい、固定が1.2%くらいですから、ローンは組みやすくなっています。
また、住宅ローン減税の拡充も、住宅購入を後押し、しています。
控除期間を10年⇒13年
最大控除額を200万円⇒400万円+80万円
富裕層による高級マンションの需要増
近年、都市部のマンションは大手デベロッパーが中心となっており、特に富裕層向けブランドマンションの開発に注力しています。
豪華なエントランスや共有スペース、来客も宿泊することができるゲストルーム、コンシェルジュやルームサービスなど、購入する間取り以外の付加価値やステイタスを求める富裕層からの需要が伸びているためです。
なかでも都心へのアクセスや景観が良いマンションは人気があり、中古でも新築と変わらない価格で売買されることもしばしばです。
価格が高くとも高級感や住み心地の良さを求めて一定の需要があるため、新築も値下がりせずに高級マンションの建設が続いているのです。
寡占化が進むデベロッパー
新築分譲マンションの供給元は、旧財閥系のデベロッパーや電鉄・電気・ガスなどの大手資本系列のデベロッパーが中心となっています。
体力・資金力がありますので、かつてのバブル崩壊時にあったような、体力・資金力のない中小デベロッパーが投げ売りをするようなことは起きにくい状況となっています。
2022年問題?
新築分譲マンションの値下がりは起きにくい状況にあると思いますが、2022年問題というマンション価格の値下がり要因となるかもしれない問題があます。
市街化区域内で、「農林漁業の継続が可能である」などのいくつかの条件を満たす農地・山林を生産緑地と言います。
2022年にこの生産緑地のうち約8割が指定が解除されるのですが、「2022年問題」とは、指定解除された農地が宅地として不動産市場に大量に売りに出されるのではないかという懸念のことを指します。
また東京オリンピックも終わり、選手村であった宿舎が「HARUMI FLAG」として2023年秋の竣工予定で大量に売り出されます。
供給が急増することで不動産の価値が下がり、これまで続いてきたマンション価格の高騰も終わるのではないかと予想されているのです。
生産緑地は東京をはじめとする首都圏に多いため、2022年以降の首都圏の不動産価格の推移を注目しておきましょう。
コメントをお書きください