照明器具のLED化は多くのマンションで取り組みが進んでいますが、誘導灯・非常灯のLED化はあまり進んでいません。特に「非常灯」のLED化は進んでいません。災害時にしか稼働しないのに、非常灯のLEDは高価格というイメージがあるからです。
但し、火災発生時などに点灯せず、暗闇の中で避難経路・避難口が分かりづらく、住人同士がぶつかり怪我をしたり、逃げ遅れたりしたら大変です。
LED化によるメリット
誘導灯・非常灯をLED化することで、経費削減と電球やバッテリー交換の労力を削減することができます。
①電球の長寿命化
白熱電灯(1000時間)、蛍光灯(12000時間)、ハロゲン灯(3000時間)がLED電球では、40000時間と4倍~40倍長持ちします。
その分電球交換費用と電球交換の手間を削減できます。
②バッテリー単価が安い
数万円するバッテリーがLED化した場合のバッテリーは数千円と安く購入できます。
もちろん、消費電力が少ないので電気代も削減できますし、リモコン点検機能を使えば、点検業務も簡単になります。
15年過ぎていたら、全数交換を検討
一般的に誘導灯・非常灯の寿命は10年前後です。10年過ぎた頃から故障が目立ち始めます。そして15年が耐用限度です。15年過ぎていたら安全性の面からも全数交換を検討してみて下さい。
バッテリーの寿命は、4年~6年です。
建物設備点検で電球切れ・バッテリー切れ発見
多くのマンションで3ヶ月又は4ヶ月に一度の頻度で、専門業者による建物設備点検が実施されていると思います。
そこで、誘導灯・非常灯の電球切れやバッテリー切れが発覚して、不具合事項として管理組合理事会に報告されることがあると思います。
但し、緊急性が高いものではないとして、予算措置に時間が掛かり、復旧が遅れることも多いのではないでしょうか?
そのような時に火災など災害が発生して、逃げ遅れたり、けが人が発生すれば理事会の責任問題となりかねません。
誘導灯について
火事や災害時に、建物内の人々を安全に建物の外に誘導するための照明器具です。誘導灯設置位置や大きさは、消防法によって細かく規定されています。
バッテリーを内蔵し、停電時に20分間以上点灯し、夜の災害時による停電でも、安全に出口に誘導できるようになっています。
また、使用停止命令を受けた違反者には、懲役3年以下・罰金300万円以下の罰則が適用される場合があります。
使用停止命令を受けた違反法人(管理会社等)に対しては、罰金1億円以下の罰則が適用されます。
※大規模施設や高層ビルでは停電時60分以上の点灯が求められます。
非常灯について
停電時に室内、廊下、避難階段を照らし、避難誘導をするための電灯で、その設置基準は建築基準法によって定められています。
バッテリーを内蔵しています。(電源別置もあります) 停電時に、30分間以上点灯し、避難経路を照らし、安全に素早く避難できるようにするための照明器具です。
是正・改善命令違反者には、懲役1年以下・罰金300万円以下の罰則が適用されます。
※大規模施設や高層ビルでは停電時60分以上の点灯が求められます。
誘導灯・非常灯のLED化を検討下さい
15年過ぎていたら安全性の面からも全数交換を検討してみて下さい。
平成26年に非常灯の光源にLEDが認可されました。それ以来大幅なコストダウンが可能となりました。
寿命が桁違いに長くなりましたので、電球を交換する回数も大幅に少なくすることが可能になりました。小型化も進み省スペース化も図れて、軽量でありながらデザイン性のす優れた商品も多数あります。
LED化で万が一の場合にも安心です
誘導灯・非常灯をLED化することで、経費削減と電球やバッテリー交換の労力を削減することができます。
もちろん、消費電力が少ないので電気代も削減できますし、リモコン点検機能を使えば、点検業務も簡単になります。
そして、なによりも、火災など災害発生時に電球切れ・バッテリー切れの可能性を小さくすることで、二次災害が防げます。
はじめの一歩
誘導灯・非常灯の使用年数を何年ですか?15年を超えていませんか?
確認してみて下さい。
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