神戸でも始まる管理状況届出制度

神戸市で2021年3月より分譲マンションの管理状況届出制度が始まります。

 

届け出対象となるマンションは戸数6戸以上のマンションですから、殆どのマンションが該当します。届出は3年毎の届け出を想定しています。

また当初は届出は任意ですが、一定の期間経過後は義務化される予定です。

 

今からこの制度の内容を把握して、管理組合としてスムーズに届出が行えるように準備しておきましょう。

 

届出制度の目的は、資産価値向上に資すること

この届出制度の目的は、管理不全のマンションを少なくし、スラム化を防止する。

そしてマンション管理状況を公開して、より良い管理状態のマンションが中古マンション市場で評価され選択される。資産価値向上に貢献する仕組みの構築を目指しています。

 

今から準備することでスムーズな届出を

届ける情報は結構多岐に渡っており、簡単に届出用紙に記入できないかもしれません。スムーズに届出するために、どんな情報が必要とされているのか?管理組合にその情報はあるのか?ないのか?整理されているのか?など準備が必要です。

 

東京でも、全国でも

東京でも同様な仕組みが2020年4月から既にスタートしています。

 

また2022年4月からは、2020年6月のマンション管理適正化法の改正により、各都道府県による「管理計画認定制度」がスタートする予定です。

 

マンション管理業協会でも「管理計画認定制度」と連携する仕組みの構築を進めています。

 

築40年、50年の高経年の分譲マンションが急増するこの10年で、マンション管理が様変わりしてきます。

 

より良いマンション管理状態にあるマンションは評価され、市場価値に反映される。そのような方向に向かうものと思われます。

 

届出項目は37項目

現在検討されている届出項目は、「マンションの概要」「適正な維持管理に関する事項」「危機管理に関する事項」「その他の事項」と4分野37項目です。

 

【マンションの概要】

マンション名、所在地、管理組合名、管理組合の形態、戸数、階数、構造、竣工年月、土地の権利種別、併設用途、管理形態(管理業務の委託有無)

 

【適正な維持管理に関する事項】

管理組合の有無、管理者等の有無、管理規約の有無、区分所有者名簿の有無、居住者名簿の有無、空き住戸の割合、賃貸化住戸の割合、総会の開催状況、管理費等の有無等(平方メートル当たり月額)、修繕積立金の有無等(平方メートル当たり月額)、滞納に対するルールの有無、修繕積立金の収納率、財務状況書類の整備、金融機関からの借り入れの有無、大規模修繕工事の実績・予定、修繕履歴の管理、長期修繕計画の有無、耐震性能、設計図書の有無、法定点検の実施有無

 

【危機管理に関する事項】

防災マニュアルの有無、防災用品の備蓄有無、防災訓練の定期的実施有無、浸水対策の有無

 

【その他の事項】

コミュニティー活動、環境に配慮した取り組み等

 

今のところ届出情報を「公開する」、「しない」は、管理組合の判断になるそうで、神戸市のホームページに公開されます。

 

マンション購入又は賃借予定者はこれらを参考情報として閲覧するのが、普通となるような時代がすぐそこに来ます。

 

事前準備でスムーズな届出と資産価値アップを

届出事項には、既に出来ていることや、出来ていないこともあるかと思います。可能な限りそれらを整理作成してスムーズな届出を行い、公開して、資産価値アップを目指しましょう。

 

はじめの一歩

集会室や管理員室にある資料の整理から初めてみませんか?

管理会社に保管されている資料の確認も併せておこないましょう。