年サービス業と同様、人手不足に直面しているが、その実情はほとんど知られていないのが、マンション管理業界です。特に管理員や清掃員の人手不足は深刻です。
一般社団法人マンション管理業協会が2019年8月に加盟管理会社359社にアンケート調査を実施しました。
現場従業員(管理員や清掃員)の採用が難しくなっているかどうかを聞いたところ
●1年前より厳しくなっている・・・67.8%
●1年前と変わらない・・・8.7%
●1年前より採用できるようになった・・・0.3%
と76.5%の管理会社がより厳しくなった、又は、厳しさは変わらないとの回答でした。
採用しやすくなったとの回答はわずか0.3%でした。
管理員等の不足状況
直近1年間の不足状況を聞いてみると、下記回答でした。
●大いに不足している・・・21%
●やや不足している・・・57%
東洋経済の記事にも、その深刻さがレポートされています。
対策(定年延長/外国人雇用)?
どのような対策を検討しているのか確認したところ
●直近1年間で定年年齢を見直した・・・18%
●検討中・・・20%
但し、見直しは行っていないが、そもそも定年の設定を行っていない会社や、健康状態・本人との面談で再雇用を行っているとの回答もありました。
外国人採用を行っているか確認したところ
●採用している・・・27社
●採用していない・・・255社
外国人雇用を検討しているか確認したところ
●検討している・・・61社
●検討していない・・・247社
で現時点では、外国人採用を実施しているところも、検討しているところも少ないようです。
但し、オフィスビルの清掃分野では、採用実績も広がりつつあるところから、コンビニや飲食店同様に今後。管理組合の理解を得られれば増えていくものと思われます。
管理組合による直接雇用も
70歳や75歳現役で働くことが、当たり前となる中、管理員・清掃員不足を解消する為に。管理組合による直接雇用も真剣に考える必要があると思います。
採用が厳しい要因の一つに、働く側が望む手取り収入が得られないという状況があるからです。
短時間勤務や勤務曜日が少ない上に、管理会社による管理コストが中抜きされるため、手取り収入が著しく低くなる現実があります。
そこで、管理組合が直接雇用する事で、管理員などの手取り収入を増やすことで、モチベーションを上げることができます。但し、この場合マンション管理士などによる管理組合側が管理の手間などを負担する必要があります。