バルコニーの管理は誰がするの?

規約共用部分であるバルコニーの管理は、区分所有者がするの??それとも管理組合がするの?

 

日常的な管理は、専用使用権を持つ区分所有者が行います。

 

大規模修繕工事対応などは、管理組合が行います。

 


バルコニー(ベランダ)は、そのほとんどがそれに接する専有部分の居住者のみ日常的に使用することが予定されており特定の住戸に付従していますが、これを専有部分と解すると各区分所有者が勝手に改造できることになり上下階に影響を及ぼす恐れのあることや、非常時に避難路としての役割を有していることなどから「規約共用部分」とされています。

 

したがって、通常は、バルコニーに接する専有部分の区分所有者に「専用使用権」を設定してその日常使用を認めていますが、その管理は、共用部分として管理組合が行うことが原則です。

 

共用部分の管理方法

区分所有法上の共用部分の管理に関する事項は、下記3つのパターンに分かれます。

 

(法17条1項(特別決議))

①共用部分の変更(形状又は効用の著しい変更を伴うもの)

例えば、エレベータを新設するなど。

 

(法18条1項(普通決議))

②共用部分の軽微変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないもの)

例えば、大規模修繕工事及びそれに伴う共用部分の改良行為は、軽微変更として扱われ、普通決議で実施可能です。

 

(法18条1項ただし書き、法26条1項)

③保存行為(共用部分の滅失・毀損を防止して現状を維持する行為)

例えば、ガラス毀損の補修など。

 

要するに、区分所有法では、共用部分の管理について、次の通りとなります。

 

①の共用部分の変更については、必ず集会の特別決議で決定し、

 

②の軽微変更については、原則として集会の普通決議で決し、規約での別段の定めを認め、

 

③の保存行為については、管理者は保存行為を行う権利を有するとともに義務を負います。

 また、保存行為は各区分所有者が行うことができますが、規約で別段の定めをすることができます。

 

専用使用部分の管理方法

専用使用部分(専用使用権の対象となっている共用部分)の管理については、専用使用権者が専用使用部分を変更することが認められないのは当然ですが、専用使用部分の管理や保存行為については規約で別段の定めをすることができるので(法18条2項)、その位置、状況等を勘案し、マンション全体の管理という観点から、どこまでを管理組合で行うか、専用使用権者が行うのはどこまでかを規約でどう定めるかということになります。

 

標準管理規約(単棟型)21条では

 

「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。」と定めていますが、

 

「バルコニー等(バルコニー・玄関扉・窓枠・窓ガラス・1階に面する庭・屋上テラス)の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。」と規定しています。

 

共用部分である専用使用部分の管理は、原則的には、管理組合が行うものであるが、

通常の使用に伴うものについては専用使用権を有する者が、それぞれその責任と負担において行うことを定めたものです。