住宅政策

国の住宅政策は分譲マンション管理組合運営や区分所有者(組合員)にも大変大きな影響を与えます。具体的にどのような政策(施策)があり、補助金制度や税などがどのようななるのかを知っておくことは重要です。


長期優良住宅制度とは

従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(=長期優良住宅)を普及させるため、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成20年12月5日に成立し、平成21年6月4日に施行されました。


住宅ローン減税制度

住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。

 

控除率を0.7%として入居適用期限が2022年~2025年まで4年間延長されることになりました。

 


住宅資金等贈与非課税

2015年1月1日から2021年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

 

適用期限を2年間(2023/12/31迄)延長されること閣議決定されました。

 


管理計画認定制度とは?

2022年4月からスタートした新しい制度です。

自治体(都道府県や市・特別区)が管理組合からの申請によりマンション管理計画を審査して合否を判断し管理レベルが高いマンションを認定する制度です。

 

目的は高経年マンションの増加により懸念される「管理不全」マンションの発生を防ぎ、管理レベルの高いマンションを増やすことです。

 

認定マンションを増やすため、フラット35や共用部リフォームローンの利率優遇措置なども用意されています。

 


管理適正評価制度とは?

これも管理計画認定制度に合わせて、2022年4月からスタートした制度です。

マンション管理業協会が推奨している制度です。国が推奨する「管理計画認定制度」に似た仕組みです。こちらは、管理レベルに応じて、「★0」から「★5」のように管理レベルを6段階に評価するものです。中古マンション市場における評価の一つとして利用し、管理レベルの向上を目指すものです。

 


マンション長寿命化促進税制の創設

あなたの住むマンションが管理計画認定を受けており、大規模修繕工事など長寿命化工事をすれば、あなたが支払う固定資産税が1/2~1/6の範囲で安くなる制度です。

 

今回は、2023/4/1~2025//3/31の時限特例措置ですが、今後築30年、40年というマンションの老朽化とスラム化するマンション発生を抑制したいという行政課題を考えれば、恒久的な減税措置となると思われます。


マンション管理適正化診断サービス

日本マンション管理士会連合会(日管連)では、マンション管理士による「マンション管理適正化診断サービス」という制度もあります。診断業務研修プログラムを修了した診断マンション管理士を管理組合に派遣し、「マンション共用部分診断レポート」を作成・提供します。

 

「マンション共用部分診断レポート」の結果については、日新火災海上保険(株)のマンション共用部分用火災保険において割引適用制度を利用することができる点が大きな特長となっています。

 

また(公財)マンション管理センターの手続支援サービスの申請を兼ね備えるよう管理計画認定制度の基準に準拠した診断基準としました。これにより、管理組合がマンション管理適正化診断サービスにお申し込みいただく際に、認定手続支援サービスにもワンストップで申請いただけるようになりました。


第三者管理者方式とは?

国土交通省が推奨する「第三者管理者方式」とはどういうものなのでしょうか?


管理会社が第三者管理者となるのは是か非か?

管理会社が管理者となる方式が徐々に増加しつつあります。

共働き世帯が一般的になるなか、休日が活動の中心となる理事会業務を負担に感じる人は多く、マンションデベロッパーにとって「理事にならなくてよい」といのが売り文句の一つになっているようです。

マンション管理士が第三者管理者となるのは是か非か?

マンション管理士が管理者となるはどうなのでしょうか?

管理会社が管理者となる場合とどう違うのでしょか?