決算書チェックポイント3

勘定科目別に見て行きましょう。

資産・負債等の勘定項目のそれぞれを監査する際にには次の項目に注意が必要です。

現金・預金

実査して、実在性を確かめましょう。

 

現金、普通預金通帳や定期性預金証書などの現物を確かめ、資産に計上されている現金・預金のすべてが実在するか確かめます。

 

預金は金融機関発行の残高証明書と突合しましょう。

 

口座名義人が現在の理事長又は管理者と一致しており、口座番号、金額が一致しているかを残高証明書で確認します。

 

預金に含まれるべきでない項目が含まれていませんか?

 

預金に計上すべきは、普通預金、当座預金、定期預金、通知預金、郵便貯金、金銭信託です。

貸付信託、MMFは有価証券に計上すべきものです。

 

前払金・未成工事支出金・仮払金

支出の事実を確かめましょう。

 

領収書などで当期に支出されているか確かめます。

 

計上することが適切か確かめましょう。

 

未成工事支出金は、大規模修繕工事などの工事代金を工事完了前の工事着手金と中間時点で支払、工事完了迄に会計期間が終了した場合に用いられます。

 

仮払金は、本来、会計期間末には残高が残らないように本来の支出項目に振り替えておくべきものです。なぜ残高が計上されているのか理由は確かめておきましょう。

 

有価証券・修繕積立債権

証券の現物又は保護預りの場合は残高証明書により、実在性を確かめましょう。

 

現金・預金と同様に、残高証明書で実在性を確かめしょう。

 

運用方針に従っているか確かめしょう。

 

管理組合の資金運用はローリスク・ローリターンが原則ですので、元本割れのない金融商品かどうか確かめしょう。

預け金(未払金、立替金)

管理会社に会計業務を委託している場合には、管理会社の資金精算フローに基づき処理がなされれているか?

 

管理委託契約書に記載されている財産の分別管理方法により資金管理がなされているか確かめます。

 

管理会社に対する預け金については、いつ精算されて理事長名義口座に入金されるのか?

 

あるいは管理会社に対する未払金または管理会社の立替金をいつ支払っているのかを確かめます。

 

電話加入権

実際の設置場所・電話番号を確かめ、実在性を確認しましょう。

 

マンションによっては、管理員室に電話が設置されており、この加入権を資産計上している場合があります。

 

実際利用されていることを支出項目の電話料金で確かめます。

未払金

請求書等で計上の妥当性を確かめ、次期に支払われているかを確かめましょう。

 

前期の未払金明細書を閲覧して、前期に計上されているが、当期に計上されていないものがないかを検討します。

 

予算超過を避けるためにの未払いとなっていないかを確かめましょう

 

滞留している未払金が存在しないか、予算超過を避けるための未払いとなっていないかに留意して、明細書の内容を検討します。

 

仮受金

何故、残高が残ったのか確かめましょう。

 

仮払金と同様、決算にあたり精算しておくことが原則ですから、残高が計上されている理由について確かめましょう。

預り金・預り保証金・敷金

何の預か金であるか、申込書・契約書などで確かめる。

 

管理組合の場合は、駐車場又は駐輪場区画利用者からの保証金がほとんどです。

現在の利用者名簿で預り保証金・敷金の明細書に記載された相手先が一致しているかを確かめましょう。

 

敷地外の駐車場・駐輪場を賃貸している場合は収支差額も検討しましょう。

 

区画不足で敷地外の駐車場・駐輪場を賃借し、土地所有者等に賃借料を支払っている場合は、駐車場・駐輪場に関する収入と支出を比較して、収支差額がマイナス(赤字)となっていないか確かめましょう。

 

借入金

残高を金融機関の残高証明書で確かめましょう。

 

預金と同様、借入金融機関発行の残高証明書で確かめます。