かつて、「管理会社が倒産した時、管理費等が預金されていた管理会社名義の口座が銀行に差し押さえられてしまう」トラブルが発生しました。
また、「管理会社担当者や管理組合役員などによる横領事件」は今も時々発生しています。
そこで、マンション管理適正化法により財産の分別管理をすることになっています。
マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する管理費・修繕積立金等は、自己の固有財産および他の管理組合の財産と分別して、国土交通省が定める下記3通りのいずれかの方法で管理しなければならないとされています。
(1)管理費等と修繕積立金を収納口座へ入金し、そこから、管理事務に要する費用を引き落とします。
それから管理費用に充当する金銭から管理費用を支払った残金と修繕積立金を翌月末日までに保管口座へ資金を移動します。
(2)収納口座については、管理会社による管理費用の出納業務の事務の効率性に配慮して、管理会社が通帳と印鑑を同時に保管してもよいことになっています。
(3)このため、管理組合の預金が実際に毀損した場合に、管理組合の預金を保護するために、管理会社に修繕積立金+管理費用に充当する金銭の合計金額の1か月分以上を保証する保証契約の締結を義務付けました。
(1)ロの方式は、イの方式とは異なり、修繕積立金は、収納口座を経由せずに、直接、保管口座に入ります。
(2)管理費は、ロの方式と同じく、収納口座へ入金し、管理費用に充当する金銭から管理費用を支払った残金を翌月末日までに保管口座へ資金を移動します。
(3)このため、管理組合の預金が実際に毀損した場合に、管理組合の預金を保護するために、管理会社に管理費用分だけに充当する金銭1か月分以上を保証する保証契約の締結を義務付けました。
(4)保管口座については、イの方式と同じく、管理会社は印鑑やキャ種カードを管理してはならないことが規定されました。
1)ハの方式は、管理費・修繕積立金ともに収納口座を経由せず、直接保管口座に入ります。
管理会社は通帳・印鑑等を同時に保管できません。これにより、管理組合の資金が毀損するリスクが想定されないため、保証契約の締結が管理会社には義務付けられていません。
そして、マンション管理会社は会計の収入および支出の状況に関する書面を作成し、翌月末までに管理組合の管理者等に報告しなければなりません。書面は、会計区分毎に作成します。
※会計区分:一般会計(管理費)と特別会計(修繕積立金等)に区分して作成する。
マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する管理費・修繕積立金等は、自己の固有財産および他の管理組合の財産と分別して国土交通省が定める上記3通りのいずれかの方法で管理しなければなりません。