2014年12月に施工された「改正マンション建替え円滑化法」で耐震性不足のマンションに関して、マンション敷地と建物を管理組合の特別決議(4/5以上の賛成)で一括売却できる制度が創設されました。
これまでもマンションは区分所有者の4/5以上が賛成すれば、建て替えることができましたが、建物の解体や敷地を一括売却するには、全員の賛成が必要でした。
今回の法改正により耐震性不足のマンションに限られますが、デベロッパーなどにマンションと敷地を一括売却することが、建て替えと同じような手続きでできるようになりました。
管理組合が一括売却決議をするためには、特定行政庁(知事や市長)による耐震性不足マンションであることの認定、デベロッパーなどによる代替住居の提供・斡旋を含む買受計画の作成と特定行政庁の認定といった手順が必要になります。
買受するデベロッパーにとっては、建設する建物の容積率割り増しや、購入した敷地にマンション以外の建物をつくることもできるといったインセンティブもあります。
区分所有者にとっても、個々に自分の住居を売却する時に比べて、「高い値段」で売れる可能性が大きい。
また、買受計画が特定行政庁の認定を受けていることから安心感も生まれるメリットがあります。
今回の改正は、あくまでも、耐震性不足の旧耐震マンションの建替えが進まないことに対しての対策です。
ですが、旧耐震のマンションに限らず、マンションの建替えや、長寿命化も困難な状況ですので、第3の道として、一括売却制度を選択できるように法改正を進める必要があります。